■臨床実習前の共用試験が、昨年度から正式にスタート

共用試験とは、全国の医科大学および大学医学部、歯科大学および大学歯学部の学生に対して、臨床実習を開始する前に実施される評価試験です。2002年からトライアル(試験的な実施)が続いていましたが、正式な実施は2005年度から。全国の医科大学および大学医学部と、歯科大学および大学歯学部とで組織する社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構(略称/共用試験実施機構)が管理し、各大学が実施しています。

現時点では、その評価結果をどのように活用するか、各大学に判断が委ねられていますが、不合格の学生は臨床実習に進ませないだけでなく、5年生に進級させない、国家試験を受験させないなどの指導方針も打ち出されています。
ですから、4年生修了時、確実に合格しておかなければならない試験なのです。

 
■「クリニカル・クラークシップ」導入を背景に、実施が決定

この共用試験実施は、現在進められている医・歯学教育改善・充実の一環です。背景にあるのは、2001年3月、政府によって報告された「21世紀における医学・歯学教育の改善方針について」。この大きな2本柱となっているのが、「モデル・コア・カリキュラム」に基づいた教育カリキュラムの改革と、共用試験の実施です。

ここに至るまでには、医師・歯科医師の言動が患者を傷つけるケースや、医療ミスなどが社会的問題になる中で、知識偏重になりがちな教育の見直しと臨床実習充実の必要性が指摘されてきた経緯がありました。
臨床実習を、指導医の診療を見学するだけの「見学型」から、医療チームの一員として診療に参加する「診療参加型臨床実習(=クリニカル・クラークシップ)」へ。ここで、学生も「患者さんから学ぶ姿勢と能力を身につけるべき」というものです。

実際の診療に参加するには、学生の能力と適性とが、全国的に見て一定のレベルに達していると証明される必要があります。そこで、臨床実習前に、その評価を行う共用試験を実施することになりました。

 
知識・問題解決能力を評価するCBTと、態度・診察技能を評価するOSCE(オスキー) 

医学生への共用試験は、2001年に公開された「医学教育モデル・コア・カリキュラム−教育内容ガイドライン−」に準拠して行われています。診療参加型臨床実習に必要な態度・技能・知識・問題解決能力を問うもので、このうち知識・問題解決能力は、コンピューターを用いる客観試験「CBT(Computer Based Testing)」で評価します。また、態度・診察技能を「OSCE(Objective Structured Clinical Examination=客観的臨床能力試験)」で評価するのです。

CBTとは文字通り、学生が1人1台のコンピューターに向かい、画面に出てくる問題にコンピューターの操作によって解答するというもの。受験者の一人ひとりに無作為に抽出された問題を出題する方式なので、それぞれ異なる問題を解くことになります。

一方のOSCEは、模擬患者と接したり、マネキンを相手に処置を施すなど、実践に即した試験項目によって、患者への接し方、患者とのコミュニケーション能力や、診察・診断・診療に関する基本的能力を採点されます。

 
■4年生までに修得している基本的・普遍的医学知識が試されるC B T

実際の診療に参加するための知識を問うのがCBTですから、医学部の4年生までに学生が修得するべき範囲から、基本的・普遍的医学知識を身につけているかを評価する問題が蓄積されています。
ここから、6ブロック、全320問が出基本事項題されるのです。

ここで言う6ブロックとは医学総論や医学各論の各講座の枠を超えて定められた、次の6項目のことを指します。
 
  問われる知識
・ 基本事項 ・ 医学一般
・ 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療
・ 全身におよぶ生理的変化、病態、診断、治療
・ 診療の基本 医学・医療と社会

 
■C B T のカギ、コンピューターによる試験システムへの慣れも必要

CBTは、本来医学部4年生までに身につけているはずの基礎知識を問うものですから、大学で学んだ範囲を3年生のうちからしっかり整理し、自分のものにしておくことが最も有効な対策です。

ただし先にも説明したとおり、この試験は、通常の講座の枠を超えた6ブロックの問題を、全てコンピューター上で出題・解答するという独特の方式で進められます。
この方式での受験に少しでも慣れ親しんでおくことが、成功への近道と言えるでしょう。

日本医歯薬研修協会では、CBT対策講座はもちろん、本番さながらの方式によるCBT公開模擬試験もご用意しています。
こうしたチャンスを利用することで、さらにCBTへの準備が整います。